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『楊家将』


【 道楽のときどき日記 】 ~香港編~-楊家将



北方謙三の「楊家将」上・下巻、読了しました。



香港に来たのが9月24日、それからの香港生活は仕事も探せず、ブログなんて書くぐらいの暇人だろうと思ったら、案外とそうでもなく、単行本2冊の本書を読むのにさえ1カ月を要してしまいました。これでも、色々と忙しくしていたのです。


まあ、それはいいとして、今回は、「楊家将」のこと。



これは日本に居る間に読んだ「水滸伝」(北方謙三・19巻)に登場する豪傑のなか数名の、先祖の活躍を描いた物語。水滸伝と同じく、信念に生きる男らしい男たちの戦いと生死の物語です。


水滸伝は108人の豪傑・女傑の入り乱れる物語であるのに対して、今回は楊家という軍人の家族のストーリーなので、その信念も「武人」であること、に終始しています。現代の日本には絶滅危惧種といっていいほど見られない人種で、しかし男であるなら誰もが憧れてしまう「漢」らしい生き方でもあります。


それが、この本の中に、10世紀の中国の物語に、凝縮されています。誰よりも強く、誰よりも武人らしい楊家の男たちが、戦って、戦って、死ぬほど戦っていく中で読者に生き様を魅せつけて、そして最後は仲間の裏切りの中で死んでいくのです。悲劇で勝利する、英雄譚。慟哭です。


そしてもうひとつ、水滸伝と違うところ。先の北方版「水滸伝」も敵と味方の二極対立でありながら、それぞれの側の登場人物をしっかり描きわけて、それぞれの正義のもとに、戦っています。その中で、どういうわけか敵方(官軍)の正義の中の必要悪は残酷で、味方(梁山泊)の必要悪は清い感じで書かれています。要するに、やっぱり敵は悪い奴ら、というイメージがあります。


で、今度の楊家将では、敵(遼国)と味方(宋国)の双方を描きわけているのは同じでも、そのどちらも天晴れな人間たちで、むしろ腐っているのは味方側の一部にしか見えません。敵方が主人公でもおかしくないキャラクターたちです。読み進むうちに、あちらにもこちらにも感情移入をしてしまいます。


そんな「漢」たちのぶつかり合いが、本書「楊家将」でした。



今日は書評ともいえないような、こんな駄文を書き綴ってしまったのは、ひとえにこの本に、あるいは北方謙三の描く一連の漢たちに魅かれてしまったからです。世界の片隅で仕事もせずにクダを巻いている私に、とてもいい刺激を与えてくれます。大人の道徳書、でもあります。


先の9月に、水滸伝(19巻)を何カ月もかけて読み終えました。その続編の「楊令伝」(15巻)を読み始める前に、両書に縁のある「楊家将」(上・下)を読んでおこうと思いました。で、読み終わる前に知ったのですが、楊家将にも続編があるようです。「血涙」(上・下)。タイトルからして、また作者が英雄を苛める物語のようです。もちろん、もう買いました。この記事を書いたら、速やかに読み始めます。もう楽しみです。水滸伝に連なる一連のこの物語。いつになったら最後の一冊までたどり着けるのでしょうか。先はまだまだ、長いです。





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2012年から香港に住んでいます。お勤めもしていましたが、なんだかんだで主夫になりました。2児のパパをしています。バックパッカー時代のブログはこちら >> [[ My Book of Days ]].

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